その手で触れて確かめて
第12章 甘く、透明なオレンジ( M × O )
潤side
う、内鍵かけやがった!
俺は、頭を抱えてソファーに体を投げ出した。
だから、仕事の付き合いだ、って言ったろ!
…て、言えたらなあ…(←鬼嫁に怯える亭主の心境)
甘いものが好きな智のためにコンビニで買ってきたハーゲンダッツの限定品。
俺は、冷凍庫に仕舞うのも忘れ、
そのままソファーに眠り込んでしまった。
朝、目覚めると、
俺の体には昨夜は掛かってなかったはずのブランケットが掛けられてて、
手に持っていたはずのハーゲンダッツは…!
…ないっ!!
慌てて体を起こすと、それに気づいた智がにこやかに声をかけてきた。
智「あ、ハーゲンダッツなら冷凍庫に入れたよ?」
「あ…りがと。」
智「朝ごはん、もうすぐ出来るけど、先、シャワー浴びる?」
「うん…」
頭を掻きむしりながら立ち上がる。
智「着替え、後で持ってってあげるからね?」
と、小首を傾げて笑う今朝の智は、
天使だった。(←笑)
「智…」
キッチンに立つ智を後ろから抱きしめる。
智「わっ!?危な!指切ったらどうすんの!?」
「ごめん…智。」
智「もういいってば。」
「お願いだから内鍵閉めないで…」(←笑)
智「………」
その日の夜もお預けを喰らったのは言うまでもない。
「甘く、透明なオレンジ」 end.
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