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その手で触れて確かめて

第13章 雨の日に恋をして ( A × N )



「あ、あの…」


雅「あっ!?これ?いいのいいの!俺、すぐそこのコンビニでバイトしてっから。」


「でも…」


雅「俺、今からバイトだし、何なら店でビニール傘買えばいいんだからさ?」



と、向かいのコンビニを指差した。



「………」


雅「あっ!!俺、もう、時間だし、行くね?」


「あっ!?ちょっ…」



相変わらず、空からは大粒の雨が降り注いでいて、


ソイツはびしょ濡れになりながら走っていった。



変なヤツ…



何だか、差す気にもなれなかったけど、



アイツのバカがつくぐらいのお人好しぶりに免じて、



まだ、値札のぶら下がった傘を広げ歩き出した。






勝手知ったる家の中、とばかりに、



俺はその人の家に着くなり勝手に家に上がり込んでシャワーを浴び、タオルと着替えを借りてコーヒーメーカーでコーヒーを淹れて、



リビングでテレビを見ていた。



・・・・



はあ、ヒマだ…



何か、腹減ってきたな…



さらに、冷蔵庫を開けて、



腹を満たせるものがあるかチェックする。



すぐ食えるの、ってプリンぐらい…かな?



1コしかないけど、ま、いっか。



ソイツを手にした時、



ちょうど玄関のドアが開いて、



部屋の主が顔を覗かせた。

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