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その手で触れて確かめて

第13章 雨の日に恋をして ( A × N )



翔「カズ、ちゃんと勉強してる?」



翔さんの、俺の頭を撫でるリズムにうっとり身を任せながらうとうとしていると、



その翔さんの口から、今、一番聞きたくない言葉が聞こえてきた。



翔「カズ?寝てんの?」


「起きてる…けど…。」


翔「じゃ、返事ぐらいしろよ?」


「だって、勉強してるか、なんて聞いてくるから…」



翔さんの広い胸板にグリグリと頭を押し付けた。



翔「当たり前だろ?教え子なんだし。来年、受験だろが?」


「んも〜!!こんな時にそんな話しないでよ!!」


翔「こんな時、って?」



翔さんは首を傾げ、好奇心いっぱいの子供のような目で俺の顔を見た。



「エ…エッチしたすぐあとに聞いてくるから…。」



真っ赤になりながら、ボソボソ答える俺を、



翔さんはいきなりぎゅっと抱きしめてきた。



「ちょっ…何、翔さん!?」


翔「フフっ。よく言えました。そのご褒美のハグと…」



翔さんは、俺から少し離れてベッドから体を起こすと、



側に脱ぎ捨てたズボンのポケットから何やら取り出した。



翔「手、出して?」


「?」



翔さんは俺の手を取って、



何やら固くて丸いものを握らせた。









翔「ちょっと早いけど、誕生日プレゼント。」



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