その手で触れて確かめて
第13章 雨の日に恋をして ( A × N )
「相葉さん。今からパンケーキ、食いにいこ?」
突然、顔を上げる俺に驚く相葉さん。
雅「へ?パンケーキ?」
「俺、好きなんだよね?パンケーキ。」
雅「い、いいけど、どうしたの?突然?」
「もちろん、アンタの奢りだから。」
雅「エエッ!?」
「何驚いてんの?アンタが誘ってきたんだから当然でしょ?」
雅「いや…ま、いいけど…。」
「ほら、行くよ?」
俺は、しっかりした足取りで一歩を踏み出す。
あの人のいない時間へと、その一歩を。
後日、サークルの集まりとかで中々会えない、と言っていた翔さんとようやく連絡が取れ、
あの日、ファミレスで見たことの一部始終を問いただした。
すると、翔さんはあっさり大野さんとの仲を認めた。
翔さんが俺にくれたイニシャル入りのお揃いの手作りストラップ。
それを作ったのが大野さんだった。
知り合いを介し知り合った2人は、
打ち合わせと称して会っているうちに恋に落ちてしまった。
皮肉にも、
俺へのバースデープレゼントが、
あの2人を結びつけてしまったんだ。
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