その手で触れて確かめて
第13章 雨の日に恋をして ( A × N )
雅「お前さあ…」
店の中に入るなり、マンガを片っ端から読み漁っていた俺は、
そいつを全て読み終えると女性週刊誌を読み始めるも、
結局、それにも飽きた俺はエロ本を読み始めた。
「だって、週刊誌、面白くないんだもん。」
雅「だから、って、堂々と…」
「あっ!?見て、相葉さん。この子のオッパイ、すげぇよ?」
雅「えっ!?どれどれ…って、見るわけないだろっ?」
「…見ようとしてたじゃん!?」
と、体を乗り出してきた相葉さんを軽く睨んだ。
「それよか、あともうちょっとで終わりでしょ?」
雅「まあ…」
「とっとと終わらせてメシ、食いに行こ?」
雅「あのさ、俺、バイトだから。自分の仕事終わったから、ってさっさと帰れる訳じゃないんだよ!?」
「…せっかく奢ってやろう、と思ってたのに…」
雅「えっ!?珍しい、雨でも降るんじゃないの?」
と、目線を外に向けると、
ガラスにぽつぽつと雨粒が当たり始めた。
「降ってきた…」
雅「しょうがねぇなあ。奢られてやるか。」
「俺、やっぱ、雨がひどくならないうちに帰る。」
雅「は?待てよ、お前、さっき…」
踵を返す俺を慌ててひき止める相葉さん。
「だって俺、雨に濡れると死んじゃうんで…」
もちろん、ウソだけどさ?
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