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その手で触れて確かめて

第13章 雨の日に恋をして ( A × N )



雅「カズ、お前、さ、何回言わせんだって!?」


「ん?何が?」


雅「だから、百歩譲って週刊誌はいいとして、高校生がエロ本読むな、って…」


「…そのいたいけな高校生にエロいことしてるクセに?」



突然、仕事する手を止め、


慌てて俺の口を塞ぐ相葉さん。



雅「ばっ、ばか!!お前、今、そんなこと…」


「だって、雅紀が俺に説教なんかたれるから。」

雅「だから、って、見逃していい、ってことになんないだろ?」


「何か、参考になることとか出てないかな?と思って読んでんのに…。」



唇を尖らせ俯く。



雅「参考?何の?」



雅紀のことを上目使いでじっと見つめると、



雅紀はゆでダコのように真っ赤になってしまった。



「どうしたら雅紀がもっと喜んでくれるかな?と思って勉強してんのに…」



雅紀は、俯き、黙り込んでしまった俺の肩を優しく抱いてくれた。



雅「いや、それは嬉しいんだけど…でも、さ…。」


雅紀の後ろに、いつの間にか腕組みをした店長が立っていて、



これ見よがしに咳払いをする。



雅「すっ、すいません!!」



慌てて俺から離れ仕事に戻る雅紀。





ふと、外に目をやると、


小さな雨粒がガラスにへばりついていた。





今日の雨の確率は40%。



相変わらず傘は持ってきてない。








だって、好きな人と相合い傘で帰れるんだからさ。


別にいいでしょ?





「雨の日に恋をして」end.

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