その手で触れて確かめて
第14章 インクルージョン (A × O)
「ああ、アイツ?3年の相葉雅紀、っていうんだ。」
「ふーん…」
その日、
翔くんの仕事が終わるのを待ってご飯を食べに行った。
翔「アイツ、智くんに何か言ってた?」
「う……ん。」
雅『俺、苦手なんだよね?』
雅『俺のこと心配してくれるのはありがたいんだけど…』
雅『別に、櫻井のことはキライじゃないんだけどさ…』
…翔くん、知ってるのかな?
相葉くんがこんな風に思ってること。
翔くんと相葉くんがじゃれあってる光景が頭を過る。
…相葉くんが翔くんのことをあんな風に言ってたなんて、
とても言えなかった。
翔「ところでさ、やっていけそう?」
「え?あ、うん。」
翔「…良かった。何だか無理に頼んじゃったみたいで申し訳ないな、って思ってたんだけど…」
「ううん。そんなことないよ?ちょうど、バイトでもしようかな、って思ってたところだし?」
翔「…そう?」
翔くんはニコッ、と笑うと、
生ビールを一口飲んだ。
生ビールを飲みながら翔くんが、
大きなため息をつく僕を見ていたなんて、
僕は、これっぽっちも気付いちゃいなかった。
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