その手で触れて確かめて
第14章 インクルージョン (A × O)
キ、キス?
雅紀「いい?」
「だ…ダメだ、って?」
雅「何で?」
相葉くんは、相変わらず抱きしめたままだった。
「あの…」
雅「ね、いい?」
「返事する前に、この手どけて?」
雅「じゃ、うん。って言ってくれたら離す。」
と、ものすごい力で腕に力を入れてくる相葉くん。
「く、苦しい…は、離して…」
雅「うん、って言って?」
「わ…分かった。分かりました。」
ふっ、と体を締め付ける力がなくなった、と思ったら、
すぐ目の前に相葉くんの顔があって、
唇に柔らかくて温かいものが触れた。
え?えっ!?えーっ!?
雅「キスしちゃった♪」
…キ、キ、キス、されちゃった…。
雅「大野さん?」
「……。」(←固まっている。)
唇に手を当てたまま動かない僕を不審に思った相葉くんが僕の肩を揺すった。
雅「ね、どうしたの?具合でも悪くなった?」
「雅紀くんと…キス…」
壊れたレコードみたいに同じフレーズを繰り返す僕を、
相葉くんが優しく抱きしめる。
雅「そう。キスしちゃったんだよ、俺たち。」
そう言って相葉くんは、また、
僕の顎を持ち上げキスをした。
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