その手で触れて確かめて
第14章 インクルージョン (A × O)
雅「も〜大野さん、てば、超可愛いんだけど〜♪」
と、相葉くんは腕の中で呆然としている僕をさらに強く抱きしめる。
なし崩しで付き合う、って言って、
なし崩しでキスすることになって、
なし崩しで、僕は君のことが好きになってしまった。
それぐらい、雑じり気のない君の純粋さは強烈で、
まるで、キラキラ輝くダイヤモンドの中にある内包物みたい。
内包物なのに、キラキラしてて、
ヘタしたら、そのダイヤモンドより輝いているんだよね?
それじゃあ、すでに宝石じゃん?って、回りから言われるかもしんない。
でも君は違うよ?って言うんだよね?きっと。
俺、そんな光ってないんだよ?って。
そんな眩しい内包物、見たことないよ、って言われても否定するんだよね?君は。
雅「ね、も一回キスしていい?」
「お願いだから、絵、描かせて?」
雅「や。キスしよ?」
「…じゃ、しない。」
雅「え〜!」
結局、相葉くんは、
その日、僕の気の済むまで絵筆を走らせる様子を、
アクビを噛み殺しながら眺めていた。
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