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その手で触れて確かめて

第15章 続・honeyすうぃーとな俺たち。(O × N )



智「カズ、大丈夫?」



真っ青な顔で、船室に蹲っている俺の様子を時々見に来てくれる智。



でも、竿が引いている、と知らせに来ると、



普段の智からは想像もつかないような機敏さで船室を飛び出していった。



「………。」



船室の窓を見やると、



大物が釣れた、と、年甲斐もなくはしゃぐ智に、



自分はこんな状態だけど、来てよかった、と思ってしまう。







智「カズ、歩けるか?」


「なんとか…。」



智の手を借り下船した俺は、



ペンションの主の好意で、俺の体調がよくなるまで部屋に休ませてもらうことができた。



目が覚めた時にはもう昼過ぎで、



嘘みたいに体が楽になってた。



折よく、そこへ智が顔を出す。



智「何か、腹に入れとく?」


「うん。」


智「ちょっと待ってて?」



ホントにその言葉通り、 ちょっと待っていたら、



智がお粥を手に戻ってきた。



智「はい。これ、食べてみ?」


「何、これ?」



お粥、と思い込んでいたものは、


実は…



智「鯛茶漬け。」


「え?」


智「さっき釣れたヤツ。カズに食わしてやりたくてさ?」



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