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その手で触れて確かめて

第16章 続・honeyすうぃーとな俺たち。(S × M )



このペンションにチェックインしたのは昼過ぎ。



翔さんの仕事が順調に定時に帰れるなら、



ここに来るのは早くても七時ぐらい。



…それまで何してよう?



取りあえず、海水浴シーズンが終わった砂浜を散策してみる。



今日は、昨日の三十度超えが嘘みたいな肌寒い日。


人影は疎らで、



浜を散歩する物好きなんて、俺ぐらいなもんだ。



…戻るか。



砂に付けてきた自分の足跡を逆に辿るみたいに、



元来た道を戻っていった。





すっかり日も落ちて、



辺りが薄暗くなっても明かりもつけずに俺は部屋のベランダから海を眺めていた。



今、午後十時。



翔さんと一緒に夕食をとりたくてギリギリまで待ったけど、



ペンションの都合もあるし、一人きりの夕食を済ませた。





翔『ごめん。やっぱり少し遅くなる。』


『分かった。気にしないで?』





ある程度予想はしていたものの、



やっぱり寂しい…





「さむ…。」



薄手のシャツのままベランダで海を眺めていた俺は、



起きて待ってなくてもいい、との翔さんの言いつけ通り、寝ることにした。



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