その手で触れて確かめて
第18章 お二階さん (S × O ver.)
今日は、僕と翔くんが付き合いはじめて二年目の記念日。
ちょっと用事で遅くなる、と言う翔くんのためにご馳走を作ろうと買い出しに出かけた時のこと。
通りがかったジュエリーショップの前で、仲良く腕を組みながら指輪を選ぶ男女のカップルに目が釘付けになった。
連れの女性は全然見たこともない顔だったけど、
男性の服装…と、いうか見事なまでの撫で肩(←笑)に見覚えがあった。
それでも他人の空似だと、自分に言い聞かせながら店の中をしばらく覗き込んでいたら、
服装と肩の撫でっぷりが翔くんそっくりな男性と目が合った。
ウソ…でしょ?
すると、ガラス張りの向こう側の顔も、元々大きな目をさらに見開いてこちらを見ていた。
頭が真っ白になった僕は、性欲も食欲も旺盛(←笑)な翔くんのために買い揃えた食材を放り出して駆け出していた。
せっかく買い物したのに、置いてきちゃった。
自己嫌悪も手伝ってか、カズの冷蔵庫からくすねたミネラルウォーターを一気に飲み干してしまった。
あ〜も〜イライラする
………。
翔くん、
やっぱり、女の子の方がいいのかなあ…。
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