その手で触れて確かめて
第18章 お二階さん (S × O ver.)
親しげに肩を組む二人の姿がチラついて、その姿が涙でボヤけた。
僕は空のペットボトルをそのままキッチンに置きっぱにし、ソファーにダイブした。
どれくらいそうしていたのかは知らないけど、
玄関のドアが開く音がして部屋の中に誰かが入ってくる気配を感じた。
しかも一人じゃない。
大方、カズが相葉くんを連れてきたんだろうと思い、
自分がここにいたらイチャイチャ出来ないだろうから、しばらく外に出ていようと思い、むっくりと体を起こした。すると、
「さ、智!!」
飽きるほど見てるドングリ眼と目が合い、固まってしまう。
「し、翔くん、な、何で?」
和「お宅のダンナです。そこで偶然会ったのでお連れしました。じゃ、くれぐれも穏便にお願いしますよ?」
僕らの顔を交互に見たあと、俺はこれで、と、カズはまた部屋から出ていった。
僕は、ずかずかと歩み寄ってくる翔くんの脇をすり抜け、玄関へ逃げようとして捕まってしまう。
「いやだっ!!離してっ!!」
翔「待てって!話を聞け、って!?」
「言い訳なんか聞きたくない!」
翔「誤解だって!?あれ、妹なんだよ!妹!!」
「え?妹…さん?」
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