その手で触れて確かめて
第18章 お二階さん (S × O ver.)
それにしたって…。
脳裏を過る二人の姿。
仲良く腕を組んで笑い合う姿。
思い出すだけでムカムカした。
「じゃあ、証拠…見せて?」
翔「証拠?」
「…信じらんない。」
翔「…分かった。」
翔くんはポケットから白い箱を取り出すと、僕の目の前で開け中を見せてくれた。
「これ……?」
その中には、シルバーとゴールドの違いはあるもののデザインは同じで微妙にサイズの違う二つの指輪が収まっていた。
翔「手、出して?」
言われるままに右手を差し出す。
翔「じゃ、なくて…さ?」
苦笑しながら、僕の左手を持ち上げて、サイズの小さな指輪を薬指に填めてくれた。
翔「良かった…ピッタリ。」
「あの…」
誂えたようにしっくり填まっている指輪を呆然と見ていた僕に、翔くんはもう一つの指輪を手渡した。
翔「今度は智から俺に填めてよ?」
そしてまた、言われるままに、もう一つの指輪を翔くんの指に填めた。
翔「うん、いい感じ。」
ニコニコ笑いながら、翔くんは僕に左手を見せびらかすようにヒラヒラさせた。
翔「それにしても良かったァ…間に合って?」
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