その手で触れて確かめて
第18章 お二階さん (S × O ver.)
翔くんは苦虫を噛み潰したような顔で頭を掻いた。
翔「あの時妹が一緒にいたのはさ、付き合ってくれたお礼にピアスがほしい、っていうから…」
「分かった…信じる。」
重ねられた手を返し翔くんの手を握る。
互いの薬指には指輪が誇らしげに光っていた。
「ありがと。大切にする。」
翔「うん…。」
翔くんの手が僕の頬に添えられて、翔くんの顔が間近に近づいてきたその時、玄関のチャイムが鳴った。
翔「何だよ…今いいところなのに…。」
舌打ちし、ぶつぶつ言いながら玄関に向かう翔くん。
雅「あっ!!櫻井さんもいたんだ。」
そっか、ここ、カズの部屋だった。
お邪魔します、と、コンビニの袋を持ち大きな体を屈めながら相葉くんが入ってきた。
和「すいません。こんなところに突っ立ってたら入れないんですけど?」
翔「あ、ごめん。」
続いてやはりコンビニの袋を抱えたカズが翔くんを押し退け入ってきた。
和「で?お二人は仲直り出来たんですか?」
「…うん。」
翔「まあ…」
和「じゃあ、祝いの宴でも始めますか?」
「祝いの宴?」
和「そう、アンタたちが二年もの間飽きもせず人前でイチャイチャを続けた祝いの宴ですよ?」
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