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その手で触れて確かめて

第18章 お二階さん (S × O ver.)



お幸せに〜♪と、ものすごい笑顔で手をぶんぶん振る相葉くんに送られながら階段をゆっくり降りてゆく。



翔「気分が乗らないんだったらいいよ?」


「え?」



よっこらしょ、と、僕を踊り場で下ろしてくれた。


翔「何なら、ここに座って喋ってるだけでもいいからさ?」


「う、うん。」



座ったら?と、笑顔で隣をぽんぽんと叩いた。



「あの…翔くん、今日はホントにごめんね?」


翔「え?ああ、全然。誤解されるようなことした俺が悪いんだし?」


「それと…嬉しかった。」


翔「そ…か。」



熱を持った顔を見られないように俯き左手の指輪を弄んでいると、不意に首筋を掠めた夜風の冷たさに体を震わせた。



刹那、フワッとしたぬくもりが僕の体を包み込む。



翔「しばらくこうしていたらいいよ?」


「…うん。」



肩を抱き寄せられ翔くんの香りと体温に包まれついウトウトしてしまった。



「翔くん、眠い…」


翔「眠い?」


「部屋、入ろ?」


翔「え?」


「もう立てない。連れてって?」



なーんてウソだよ?って、心の中で舌をぺろっと出しながら、



翔くんに体を預けた。



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