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その手で触れて確かめて

第19章 俺のアニキ(M × S )



「あのさ、言っとくけど、俺はあんたなんか兄弟なんて思っちゃいないから。」



智はああ見えて好奇心旺盛な性格。



多分、興味本意でお前に接していただけなんだよ?



それを好意と受け取ったお前がバカなんだ、って、








…今、分からせてやるから。





そんな黒くて歪んだ気持ちを隠すように口許に手をあてヤツを上目で見た。




が、ヤツは俺のことなんか眼中にない、って感じで手元のボールを投げ捨て俺に背を向けた。





今度は無視かよ!?そんな強気な態度がいつまでも通用すると思うなよ?



「多分、智兄さんもそうだよ。父さんが連れてきたから仕方無く、って感じじゃない?」




俺が智、という名を口にした途端、反応して振り向いたヤツの顔めがけて足元に転がってきたボールを蹴り飛ばした。



翔「っつ……!!」



ボールはヤツの頬を強打し、芝生の上で鈍いバウンドを繰り返しやがて静かになった。



頬を押さえながらヤツが小さく呻きよろめく。



「あれ?もしかしてヘディング出来ないの?」



俺は仰々しいぐらいの大声で言いながら再び自分の足元に転がり来るボールを足で止めた。



「じゃあ……教えてやるよ。」


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