その手で触れて確かめて
第19章 俺のアニキ(M × S )
翔side
今回はいつになく平和な年明けになりそうだな、と思いながら迎えた大晦日の早朝、
玄関のインターホンが鳴った。
「誰だ?こんな朝早くから。」
応対した澪がひどく困惑した面持ちで俺と父さんを振り返る。
澪「あの…」
「どうしたんだよ?」
出てくれと言わんばかりに澪は俺に目で訴えた。
一体どうした、ってんだよ?
どちら様、と、言いかけた時、モニターに見覚えのある若い男の姿が映った。
じ、潤……?
な、何でここに?まだ、海外にいるはずじゃあ…?
それに一人、って?雅紀に何か…?
とにかく、話を聞こうと中に迎え入れる。
が、それが間違いだった。
潤「あ〜っも〜あったまにきた!!」
怒りで煮えくり返る我が身を冷まそうとするかのように潤はコップ一杯の水を一気飲みする。
コイツがこんなにキレる理由はただ一つ。
潤「も〜聞いてくれよ!雅紀、ってば、ほっんとにムカつく!!」
と、潤は自分の足元に纏わりつく我が娘を膝に乗せた。
…雅紀のやつ、今度は何やらかしたんだ?
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