その手で触れて確かめて
第19章 俺のアニキ(M × S )
潤によれば、シンガポールのホテルに着く早々、あちらこちらから異様な目で見られた挙げ句、
その日の夜、雅紀からもう一部屋とったからそこへ移るようにと言われたらしい。
どうしてか、というと…
潤「男同士はヤったらダメだ、って法律があるんだってさ?行く前にちゃんと調べとけ、って話だろ?」
…それはそれは。
「で、ムカついたから雅紀を残して帰ってきた、ってことか?」
潤「はあ…もう俺、ダメかも…。」
…それ、何百回も聞いた(汗)
で、どうせまた、仲直りしてヤるんだろ?
潤「別にいいじゃん?同じ部屋だって?ヤんなきゃいい話だろ?」
…潤、それはムリだと思う。
雅紀は、仕事はやればできるヤツだけど、目の前のご馳走を我慢できるほど紳士じゃないから。
が、潤は聞く耳を持たず、結局はまた、家に転がり込んできて、
雅『翔、頼む!!潤と話をさせてくれっ!!』
「・・・・。」
お前ら、いい加減にしろよ
智『俺もおかしい、って思ったんだよなあ。』
シンガポールに二人して旅行なんてさ?と、
昔、弁護士を目指していて、法律に詳しいハズの智はしれっと言ってのけた。
「だったら何で引き止めないんだよ?毎回毎回間に入っている俺の身にもなってくれよ?」
智『まあ、そう言うけどさ…』
智は電話しているにも関わらず、何かを口の中に放り込んではしゃりしゃりと音を立てた。
智『可愛い可愛い弟なんだからさ、目、瞑ってやれ、って?』
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