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その手で触れて確かめて

第20章 Birthday Present



新年早々、予告もなく智が大荷物を抱えて帰国した。



智「お前、誕生日だろ?」



急な帰国も俺のためだと分かった途端、人目も憚らず智に抱きついてしまった。



智「お前にやる。俺の自信作だ。」



智は大事そうに抱えてきた大きな荷物を俺の目の前で広げて見せた。



その場にいた誰もが、波打ったように静まり返える。


それもそのはず、



「あ、あの…これ……は?」


智「これか?スゴいだろ!!」


「う、うん。まあ…」


智「コイツ、滅多に釣れないんだよ!!」


「そ、そう……」



得意気に語る本人以外は皆、ポカン顔。



智「魚拓作るのも中々大変でさ?」


「へ、へぇ……」



このあと、延々と智ご自慢の魚拓の苦労話を聞かされ、



家族水入らずの食卓を囲み、そのあとは、潤を交えて久しぶりに酒を酌み交わした。



そしていい具合に酔いも回って誰ともなく生欠伸を繰り返すようになってきて、



俺は智に自室で休むように言った。



智「んー…歩けない…」



智は何度も立ち上がろうとして、崩れ落ちるようにソファーに雪崩れ込んだ。



俺はそんな智を抱えてリビングを出た。



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