その手で触れて確かめて
第20章 Birthday Present
何年もの間、家を空けていたとはいえ家政婦に定期的に部屋を掃除させていたこともあり、
ベッドに辿り着くや、智は気持ち良さそうに寝息を立てていた。
ま、そうでなくてもどこでも寝れそうだけど?
体の上にシーツをかけ直してやり、少し乱れた前髪を直してやる。
「……。」
……一段と黒くなったなあ。
すうすうと寝息をたてている智の顔を覗き込む。
半開きになっている唇に触れると、少しだけ顔を歪めたがまた、無防備な寝顔に戻った。
ったく…スキだらけなんだよ……。
爆睡しているのをいいことにキスでもしてやろうかとも思ったがやめた。
そのまま智の隣に寝そべり智の顔をただじっと見つめていた。
だが…
智「テメ……金取るぞ?」
目の前の双眸ががいきなりバッと開かれて、俺までもがビックリして見開いてしまった。
「お…起こしちゃった?」
智「……起きてたんだ。」
智は不機嫌そうに目をごしごし擦った。
「ごめん。出てくよ?」
体を起こしかけた時だった。
「あっ…」
俺の体がベッドに乱暴に叩きつけられた。
眼前には、俺を見下ろす智の顔。
「あっ…あの…」
智「お前……さ……」
そのまま智の顔が俺の耳元まで降りてきて囁いた。
智「……俺とヤりたいのか?」
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