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その手で触れて確かめて

第2章 劣情と熱情と純情と (A × M )



コドモじみた負けん気みたいなものもあったのかもしれない。



セックスなんて相手あってのことなんだから、


相手にされるがままじゃダメなんだって、


自分だけ気持ちよくなっても意味無いんだって、



そう思ったら、こちらから唇を抉じ開けてヒロシの舌を探す。



ヒロシはすぐに気づいて応えてくれる。



気持ちだけじゃなくて体も熱くなっていって、


もっと体温を感じていたくて汗ばむ背中に腕を回し、



その顔を見上げる。



「その顔、たまんねぇな。」



俺がしたり顔を向けると、


ヒロシは俺の腰を抱え込んで自身を後孔にあてがった。



途端に目を見開き、体を竦めてしまった俺を宥めるように体を抱え直す。



「やっぱ、コワイか?」


ヒロシの胸に顔を埋めるようにしながらコクリ頷く。



「体の力を抜いて、後は俺に任せておけ。」



俺は背中に回した腕にぎゅっと力を込めた。



「痛…っ!」



瞬間、今までに感じたことのない強烈な痛みが体の中心を駆け抜けていって、


その痛みは奥へ奥へとじわじわ広がっていき、やがて止まった。



体の奥にその違和感を抱え込んだまま息を整えるようにじっとしていると、



ヒロシはさらに高く腰を抱え直した。


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