その手で触れて確かめて
第2章 劣情と熱情と純情と (A × M )
目を開けると、
ヤツはマッパのまま、タバコを咥えてキーボードを叩いていた。
しばらく、その様子を見ていると、キーボードを叩く手を止めて、
俺の顔を覗き込んできた。
「生きてたか…」
「アンタこそ。ここでくたばったらいい恥さらしだもんね?」
意地悪く微笑む。
「…ヒロシ、って誰だ?」
「な…何のこと?」
「まあ、いい。」
相葉雅紀は、一糸纏わぬ姿でベッドから這い出す。
「待って!!」
引き止めるように手を掴む。
「何だ?また、ヤりたいのか?」
ニヤニヤ笑いながらベッドサイドに座る相葉雅紀を上目で睨む。
「冗談でしょ?俺、初めてヤるヤツとは1回しかやらないことにしてんの。」
「それはまたどうして…?」
「調子こいて変な道具使おうとするヤツがいるから。」
「なるほど…。」
「そんなことよりアンタ、俺んナカに出してるでしょ?」
「何だ?まさか、ニンシンする、とか言うんじゃないだろな?」
今度は逆に、俺がベッドから抜け出して掴まえた手を引くように歩き出す。
「フフっ。だったらどうすんの?責任とってくれる?」
バスルームの扉を開け、俺を後ろ向きに立たせた。
「考えといてやる。」
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