その手で触れて確かめて
第3章 歪な夜の夢 (O × S × M)
Jside
ある日、久しぶりに家族で夕食を、と、
兄弟3人と、父さんとで食卓を囲んだ。
その頃の父さんはまだすこぶる健康で、
4人で夕食を平らげた後、
ほろ酔いのご機嫌な状態で自室へと戻っていった。
俺も、しばらく兄弟で昔話に花を咲かせていたが、
その日はアルコールの回りが早くて、
話が盛り上がっている最中、
意識が途切れてしまった。
どれくらい時間が経っただろう。
気がつけば俺はソファーに転がっていて、
さらには、部屋の隅にあったクィーンサイズのベッドには、何やら大きな塊が蠢いていて、
粘膜同士が擦れあうような卑猥な音が聞こえてきた。
時おり、その音に混ざって聞こえてくる荒い息遣い、
と、聞き慣れたトーンの声。
そして、俺の聞き間違いでなければ、「イクっ…」って…
…そう、確かに聞こえた。
それまで、規則正しく聞こえていた肌同士がぶつかり合う音が早さを増していって、
嬌声とも呻き声ともとれる声が聞こえた後、
静かになった。
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