その手で触れて確かめて
第3章 歪な夜の夢 (O × S × M)
智は、後ろから翔を抱きかかえると、
顔を無理矢理自分の方に振り向かせ、
唇を塞いだ。
「うっ…んっ…ふぅっ。」
一瞬、強ばった顔が、
智のキスで段々とほどけてゆくのが分かる。
唇が離れて、
2人の濡れた唇を繋ぐ銀色の糸が揺らめいた。
勝ち誇ったように口角を上げて翔を見下ろす智。
まばたきを繰り返しながら、うっとりしたような顔で智を見上げる翔。
「先に潤の相手してやれよ?」
だが、翔は泣きそうな顔で首を左右に振った。
「…ったく、何だって潤、連れてくんだって!?」
ぶつぶつ言ったものの、
首筋を唇でなぞるように愛撫しながら、
智は、その綺麗な指先に違わぬ滑らかさで、
翔のシャツのボタンを器用に外していった。
智の唇の動きに合わせて翔が体を震わせるたびに、
シャツが肩からするすると抜けて落ちていって、
白い胸元が露になってゆく。
その、艶かしすぎる光景に、
喉を鳴らして息を飲んだ。
そんな俺に智が気が付き、 イタズラっぽく笑うと、
翔の首筋に歯を立てた。
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