その手で触れて確かめて
第1章 白雪姫 (A × O)
「白雪姫?」
クラス委員に名指しされ、
大野智は素っ頓狂な声を上げた。
「いやっ、でも、白雪姫、って…女装するってこと?」
「大野くんがいいんじゃないか、って声があったから。一応、意見を聞いておこうと思って。」
クラス全員がこのやり取りを黙って聞いていた。
これ、空気的にイヤ、って言えないだろ?
事の張本人の岡田は、
ニヤニヤしながら事の成り行きを見ていた。
岡田…お前、ほっんとにワルいヤツだよ…(汗)
大野智は髪を掻き上げ、大きなため息をつく。
「…分かりました。」
クラス全員が途端にどよめき、岡田は小さくガッツポーズをした。
…て、ことは、クラスのヤツらの殆どが…大野狙い、ってこと…?
思いの外、競争率が高かったことにはさほど驚かなかったが、
男子校に女子が紛れ込んでいたぐらい、クラスの男子のテンションが高かかったことに、
若干、引いてしまった。
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