その手で触れて確かめて
第3章 歪な夜の夢 (O × S × M)
「…智にこんな余力があったんなら、もうちょっと搾り取ってやればよかった。」
智に対する翔の恨み言なんて、
翔の指先が俺のナカを掻き回す音に消されてしまって、俺の耳には全く届いていない。
急に翔の指が俺のナカから引き抜かれた後、
翔の、あの、独特の低音が耳元で響く。
「そんな、物足りない、って顔しないの。」
笑いながら、髪を撫で囁いた。
「し、してないし!!」
「そう?智がこんなんだから、俺でよかったら、って思ったんだけど…」
体を離そうとする翔の腕を掴む。
翔は、掴まれた腕と俺の顔を見比べて、
迷惑だと言わんばかりの目で俺を見た。
「…俺にヤられんの、ヤなんじゃなかったっけ?」
「…ごめん。取り消す。」
「ふうん…」
唇に指先を当てて、イタズラっぽく微笑む。
「じゃあ、おねだりしてみなよ。俺に?」
「えっ?」
「弟なんだからさ、可愛くね?」
「かっ…可愛く?」
「上手く出来たら…」
両手で頬を挟むように引き寄せられて、唇を重ねられる。
「…ご褒美あげるから。」
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