出逢いは最悪だったけれど。
第3章 出逢いは衝撃的だったけれど。
時刻はもう10時だ。
約束の時間はたしか12時。
準備の時間もあるし、そろそろ起きなければ。
隣で気持ちよさそうに眠る彼を起こす。
「起きて。遅れるよ?」
もうちょっと、寝かせてあげたい。
けれど、今日は、大切な日だから。
「うーん、チューして?」
目を閉じたまま、キスをねだる彼。
甘えん坊ところは10年前と変わらない。
「はいはい」
おはようのキスをすると、
彼は満足気に目を開けた。
まだ目がトロンとして眠そうだけど。
「顔、洗ってきな。」
俺の言葉に素直に洗面所へと向かう彼。
10年経っても相変わらず細いな、と後ろ姿を見て思う。
そのまま視線を一枚の写真に写す。
クラスの集合写真に、
彼はいた。
真ん中で笑顔でピースしている彼も大人になった
今日は、彼の結婚式だ。
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