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貨物のコンテナの台車から滑り落ち、左膝内側を強打した。あっという間に、真っ赤になり内出血がひどかった。仕事が終わり、社員寮にたどり着く頃には足を引きずって歩いていた。会社に連絡をした。明日、病院へ行くので休ませてくださいと。会社からは、階段でぶつけた事にしてくれと言われた。労災隠しである。病院に行き、診断は全治一カ月だった。しかし、会社からはまだ仕事に出れないかとしつこく電話がかかってきた。事実、まともに歩くことさえ困難なのに。早い話、人手不足だったからだ。二三日たったころＭ君から電話がかかってきた。足の状態を心配してくれた。昼休み中だったみたいだ。話をしていくと、Ｍ君は精神的にもう限界だと言ってきた。明日、会社に辞めると伝えると言った。正直、私も会社には行きたくなく辞めたかった。その後、Ｍ君は仕事を辞めた。私は、休んでいる間に他の就職先を探した。某建設会社の面接をした。重機オペレータできてほしいと。ただ一つ問題があった。社員寮が人がいっぱいで入れなかった。他県から来た私には致命的だった。会社の社長は不動産の知り合いに相談し部屋を見つけてくれたが、月６万の家賃がかかる。家族に仕送りする余裕などない。結局この話は白紙になった。妻から電話がかかってきた。家に検察庁から私宛てに郵便が届いたと。聴取を取りたいと。二ヶ月も経ってからだ。私は、検察庁に連絡をし今は単身で東京に居るので無理ですと言った。話の内容はだいたい把握していた。罰金の話しだろう。私は、免許センター、警察署に罰金の事を免許返納した時に聞いた。特に罰金の件に関して連絡、通知書もきていないと。それじゃ、大丈夫なんじゃないですか。と言われた。全くいつまで苦しませられるんだ。もう私はどうしたらいいのか解らない。５月５日付けで会社を辞めた。以前、働いていた土木会社から人事部の話しがあった。神奈川の叔母に色々とお世話になった。帰ったら、頑張っている連絡をしようと思った。５月７日高速夜行バス東京から秋田行きに乗り込んだ。座席は一番後ろ窓際。カーテンの隙間から夜なか輝くスカイツリータワーを眺めながらどっと疲れが出て、いつの間にか眠りについていた。 つづく