飴と鞭と甘いワナ
第6章 HurryUp! episode 1
「マジか…」
にのは、車は置きに来たけど部屋には帰っていない
これで体調不良なんてのは嘘だと言うのが証明された
そうなると、にのはやっぱり怒った勢いで何処かへ行ってしまった事になる
あんな、些細なやり取りがこんな事になるなんて
軽くあしらった自分が恨めしい
泣きそうになった時に、その腕を掴まえておけば良かったのに
自棄になった時のにのは、早く見つけ出さないと大変な事になる
それこそ週刊誌ネタも良いとこだ
翔ちゃんが言ってた "後々面倒だよ" の言葉が突き刺さる
こうなればにのを探すしかない
やみくもに動く前に
まずは誘いそうな後輩達に連絡を取ってみる
しかし誰1人、にのとは一緒じゃなかった
思い付く人には全て連絡したけど、皆答えは変わらなかった
嫌な汗が背中を伝う
バカな真似するなよ…!
俺は急いで、住人のいない部屋を後にした
にのの行き先に心当たりがない事もない
そのどこかにさえいてくれればいい
マンションの外に出て、急いで車に乗り込むと
俺はエンジンのスタートボタンを力任せに押した
ー…早く見つけなきゃ
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