飴と鞭と甘いワナ
第2章 scene Ⅱ
N side
…なーにが『仕事でミスった』だよ。
それだけじゃないだろうが
強がってるみたいだけど
お前の目ぇ見れば、分かるよ?
明らかに動揺してんじゃん
バカみたいに明るく装うから、余計にその沈んだ瞳が際立ってるんだって。
…そしてお前が何か企んでる事も。
なんて言ったとこで、バカなこいつに分かる訳ないか
それに、それを聞き出す(言わせる)のが俺のこれからの時間の楽しみでもあるし?
そう言えば
ちょっと俺が不機嫌そうな態度に出ると、途端に挙動不審になるのって…いつからだったかな
最初のうちは、そうでもなかったはずなんだけど
…まあ、いいや
それを思い出すのは、まずはコイツの髪を洗ってからだ
「倒すよ」
本当はいきなり倒してやりたいけど
そこはね?
ほら、俺って優しいからさ。
「ハイ…」
ゆっくり倒れる背もたれに身を預ける雅紀。
倒しきった後にモゾモゾ動いて
頭の位置を自分で決めるのは、…それだけこのシャンプー台に馴染んでるって証拠。
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