飴と鞭と甘いワナ
第10章 2匙め
大人なんだから、ちょっとはそっちも気を遣えよ
それとも、俺が何か気に食わないような事した?
相葉さんの真意は分からない
だから、聞いたんだ
…半分イラつきながらだったけど
「…俺、アナタに何かしましたか?」
「へ…?」
ぽかんとした顔をした相葉さんが視線を俺に向けた
その顔には “え、何が?“ ってありありと書いてある
ー…ふざけんなよ
散々こっちが無理して気ぃ遣って話し掛けたの、知らないとは言わせないぞ
「話し掛けるの、迷惑でしたか?」
「え…」
「それならそう言ってくださいよ。無理に話し掛けるの疲れるんですよね」
この日は、ちょっと俺も機嫌が悪かったのもあった
彼女の母親から来た援護射撃の電話のせいで、イライラしていた
だから、ちらちら俺を窺うように見る相葉さんに
無性に腹が立ってしまったのもあった
…要は、八つ当たり
俺が勝手に気を遣ってただけの事なのに、それをしようとしないマイペースの相葉さんにムカついただけ
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