飴と鞭と甘いワナ
第3章 scene Ⅲ
すばるくんの名前がニノの口から出てくるとは。
あン時は咄嗟に出ちゃって。
だってマジ怖いンだよ、すばるくん。
この『ツヴァイ』に命掛けてるから、うん。
些細なコトでも雑な扱いしたら即 出禁にされちゃう。
「聞いてる?雅紀」
こっち見ろ的に顎先掴まれる。
聞いてる、聞いてる、聞いてます…てか、何でそんなムキになってんの?
らしくないよ、ニノ。
「…………雅紀のオトコ?」
はぁ?
「違うって。此処のオーナーだし」
"すばるくん、彼氏いるから"
あ、これは個人情報だから内緒か。
ニノは
"そっか"
なんて呟いて。
顔がニヤと嬉しそうに見えるのは気のせい?
「あン時、雅紀の気が逸れたから…俺も突っ込んでやる!って気が削げた」
な、な、何言ってんの?
もしかしなくとも俺、フルコース 掘られちゃうトコだった!?
だからかぁ…あの"お願い"
何か "リベンジ返し"って感が否めないんだけど。
だからさ、つい
「ねぇ…ニノは俺をどーしたいの?」
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