じんちょうげの花咲く頃
第6章 エピローグ ①
翔「まあ…零がそう言うんなら…」
叔父さんは、ちら、と後ろで腕を組んだまま山に籠ってひたすら修行に励む修行僧の如く黙ったままの父さんを見た。
智「本人がそうしたい、ってんなら、別にいいんじゃねぇか?」
「父さん…」
翔「いや…あ…と…ちょっと待って…?」
叔父さんが焦った様子で立ち上がり、父さんを伴って部屋から出ていってしまった。
め「パパ、どうしたのかしら?」
潤「まるで浮気がばれちゃった時みたいに焦ってたね〜♪」(←なぜか楽しそう。)
澪「ええっ!?」
雅「こら、潤。滅多なこと言うもんじゃない!」
和「奥さん、落ち着いてください、例え話ですから。」
鬼の形相で立ち上がりかけた叔母さんを二宮さんが宥める。
澪「そ、そう?二宮さんがそう言うなら…。」
和「潤さんも言葉に気を付けてください。」
潤「ごめんごめん。ちょっと言ってみただけだから。」
しばらくして、なんとか修羅場を回避(?)した僕らのもとに父さんと叔父さんが戻ってきた。
智「零、頑張れよ。俺も応援してるから。」
「うん…。」
笑顔で僕の肩を叩く父さん。
叔父さんと何を話していたのかは知らないけど、
とにかく、頑張るしかない。
め「ねぇパパ、いっそのことパパがここ、買い戻してあげたら?」
澪「そうよ。お金を貸すなんてそんな…。」
翔「もういいじゃないか!本人がそう言ってるんだから。」
この話はおしまい、と、
叔父さんは帰り支度を始めた。
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