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じんちょうげの花咲く頃

第4章 新しい季節へ…



そこまで言って、こちらを振り返るめぐむちゃん。


目が合うと、少し照れたように笑いながらまた、目を反らした。



「じゃあ、今度は零ちゃんが予想してみて?」



聞いてるから、と、僕から顔を反らしたまま言った。



「ぼ…僕が思うに、その人は…ま…真面目で少し気が弱くて…」



それでいて…



それでいて、いっつも自分に自信がなくて、時には回りの意見に流されることもあるけれど、



一度こうと決めたら絶対に曲げない頑固なところもある。



でも、



でもやっぱり、



流されやすいのかな?





君の結論次第では、



僕の決意さえ曲げてもいいと思ってる。



だって、僕は、



君のことが…





「あ、バス、来たよ?」


「えっ?あっ…!?」



早く早くと、めぐむちゃんは僕をバスに押し込んだ。



「行ってらっしゃい。」


明るく手を振るめぐむちゃんにつられて僕も笑顔で手を振った。



あっ!!じゃ、なくて…



僕の答えをまだ…



僕の気持ちをまだ君に伝えてない。



僕が身を乗り出そうとすると、バスは無情にも走り出す。







笑顔で手を振り続ける君だけをそこに残して…。


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