じんちょうげの花咲く頃
第4章 新しい季節へ…
「もしかしてめぐむに用かしら?」
膝に両手を置き、叔母さんから目を逸らしながら頷いた。
「あの子から聞いたの。零くんに宿題出したんだ、って?」
宿題?ある意味そうかな?
「叔母さん、あの…。」
「呼んで来てあげましょうか?」
「いいんですか?」
「いいも悪いも、めぐむに会いに来たんでしょ?」
ちょっと待ってて?と、叔母さんがリビングを出てすぐ、誰かが帰ってきたらしく、話し声が聞こえた。
そして、その少しあと、誰かがリビングのドアをノックする。
めぐむちゃん…?
「零ちゃん、わざわざ来てくれたの?」
嬉しそうに向かいの椅子に座るめぐむちゃん。
「ごめん、勉強の邪魔して?」
「全然!スッゴく嬉しい!!嬉しくて勉強なんて手につかないよ?」
あ、と、ペロリとめぐむちゃんは舌を出した。
「じゃあ、宿題の答え、聞かせてもらおっかな?」
「うん。」
僕は気持ちを落ち着かせるため、叔母さんが淹れてくれたコーヒーを一口飲んだ。
「それ……僕のことだよね?」
「え……?」
大きく目を開いてこちらを見る、君。
その君を真っ直ぐ見ながら、
君の目を見ながら言う。
回りくどい言葉なんていらない。
だって、僕も君のことが…
「…好きなんだ。」
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