じんちょうげの花咲く頃
第5章 じんちょうげの花咲く頃、君に会いに行く
澪「ああ、心配だわ。私やっぱり、一緒に行こうかしら、金沢に?」
翔「冗談だろ?小さい子供じゃあるまいし。」
澪「あなた、心配じゃないの?嫁入り前に悪い虫がついたら、って?」
翔「そりゃあ…心配だけど…」
澪「それに、家のことは潤さんがやってもいいって。何ならあなたの面倒も見てあげてもいい、って言ってくれてるんだけど?」
翔「えっ…(汗)」
にっこり笑う叔母さんに、叔父さんの顔が蒼白になる。
叔父さん、どうしたのかな?
澪「一から十までお世話してくださるそうよ?」
お料理、上手だし、と、付け加えた。
翔「いやっ…アイツはアイツで忙しいだろ?」
澪「最近、お兄さまの海外出張が多くて…一人の時間が増えてつまらない、ってボヤいてたわよ?」
僕のもう一人の叔父である潤さん。
どういう関係かは僕もはっきり知らないけど、叔母さんのお兄さん、つまりは、めぐむちゃんの伯父さんと一緒に住んでるらしい。
翔「俺が暇じゃないんだよ?」
澪「あら、そうなの?だったら尚更、お願いしたら…」
翔「だから、そういう問題じゃ…」
澪「どういう問題なのよ?」
め「どうしたの二人とも?また、ケンカ?」
ああでもない、こうでもない、と二人が議論を交わしている最中、
自室で自分の荷物を纏めていたはずのめぐむちゃんがリビングにやってきた。
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