じんちょうげの花咲く頃
第5章 じんちょうげの花咲く頃、君に会いに行く
め「ママも…」
澪「私が何?」
め「私ばっかり構ってると、知らない誰かにパパ、盗られちゃうわよ?」
そして叔母さんまでも後片付けが、と言い残して部屋を出ていった。
二人の後ろ姿を見送ったあと、めぐむちゃんは大きく息を吐いた。
め「なんであんな仲悪いのかな?パパとママ。」
「でも、賑やかで羨ましいな?」
め「あっ!?ごめんなさい。私、そんなつもりじゃ…」
「僕もそんなつもりじゃないよ?単純に感想を言っただけだし?」
め「でも…」
泣きそうなめぐむちゃんの手を握りしめた。
「もし、母さんがまだ生きてて、父さんと一緒にいたら多分あんな感じだったと思う。」
め「何で分かるの?」
「だって、あんな気性の人だよ?毎日喧嘩してるかも?父さんは父さんでマイペースだし?」
め「あんな素敵なおば様が叔父様をやり込めるなんて…」
信じられない、って、顔をしかめるめぐむちゃんに、思わず笑みが零れる。
「どこも同じだって?だから…」
さっきよりもずっと、
ずっと強く君の手を握りしめて言う。
君の目を見て、ハッキリと。
「…僕たちも。」
…多分。
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