じんちょうげの花咲く頃
第6章 エピローグ ①
―数年後―
「ちょっとここで休憩いれんかね?冷えたスイカ、切ってきたし。」
トラックに、最後のスイカを積み終えると、
成海のおばあちゃんと叔母さん、めぐむちゃんがカットしたスイカをお盆に乗せて持ってきてくれた。
め「はい、零ちゃん。」
「あ、ありがと。」
ほどよく冷えたスイカにかぶり付く。
ほどよい歯触りと甘みが口一杯に広がった。
め「ん〜!美味しい!」
「ホントだね?」
顔を見合せ笑い合う。
それを見たアルバイトの学生たちが口笛を吹く。
たまたま遊びに来ていた二人の叔父と叔母さんはにこにこしながら僕らの様子を見ていた。
そして、今回、中には珍しくこんな人がいた。
雅「おい、うまいスイカが食える、って聞いてきたのに、こんな重労働をさせられるなんて俺は聞いてないぞ?」
潤「ちょっとお腹が出てきた、って言ってたから、体動かした方がいいかな?と思ったんだけど?」
と、めぐむちゃんの伯父・雅紀さんの口元についたスイカの種を取る潤さん。
和「ただでこんなうまいスイカを食べるつもりだったんですか?厚かましいにも程がありますよ?」
私みたいなオッサンでさえ働いてんのに?と、スイカを口に運ぶ二宮さん。
翔「そうそう。俺だって昨日、夜中まで仕事してこんな重労働してんだからな?」
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