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マリア

第20章 奸計曲



翔side


俺の誕生日を来週に控えた日曜日。



俺は智と遊園地に来ていた。



この季節に、何故に遊園地?って感じだったけど、


智がどうしても、って言うもんだから、仕方なく…。



智「ね…次、あれに乗ろう?」



智が指差す方を見た俺は青ざめた。



「え…あ…あれに乗るの?」


智「ね、いいでしょ?」



観覧車……(汗)



「他のやつにしない?」


智「え〜あれがいい!!」


え〜…(汗)



すると、智のやつ…



智「ねぇねぇ…いいでしょ?」



と、俺の腕にしがみつき、上目使いで訴えてくる。



…要するに、「色仕掛け」ってやつだ。



智「ねぇ翔くん。翔くん、ってばあ。」


「………。」



結局、小悪魔・智に根負けした俺は…



智「わあ…すごぉい!ね、ね、見て見て翔くん!」


「うんうん。スゴいね?」(←怖くて見れない。)


智「僕の家、あの辺かなあ?…ね、聞いてる?」


「はいはい、聞いてます、聞いてます、ってば!」


すると、智のやつ、俺の顔を両手で挟むようにして自分の方へ向けた、と思ったら、



天使のように微笑みながら、



俺の頬を左右に引っ張った。



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