マリア
第20章 奸計曲
智「はっ……あっ……あっ…」
目の前で、艶かしく腰を揺らしながら甘く喘ぐ智の姿に俺の下半身は爆発寸前で、
堪えきれず、智の腰を掴み一気に突き上げた。
瞬間、短い悲鳴と共に智の体ががくり、と前のめりになり、俺の上に倒れこんで来るのを受けとめた。
苦しそうな智の顔。
その、苦しさを少しでも紛らわすためにキスをしてやる。
すると、智も何かを求めるように俺の唇にむしゃぶりついてきて、
まるで、ため息を吐くように俺の名を呼んだ。
智「…っ…しょ…翔…」
形のよい指先で、汗で貼り付いた前髪を掻きあげながら、消え入りそうな声で智がまた、俺の名を呼ぶ。
智「翔……翔…す…き…あっ……」
「智……っ!!」
さらに深く激しく突き上げると、折れそうな程に智の体がしなった。
智「あ……あっ…しょ……もっ…と…」
震えながら伸ばされた智の手を掴み、
離れないように指を絡め合った。
「智……俺っ……も…」
すると、絡め合った手のひらが引き寄せられ、
唇にフワリ、と、智のぬくもりが重なった。
智「一緒に………一緒に行こ?」
「さ……と…し………。」
智「連れてってあげる……
………僕が。」
…どこ……に?
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