マリア
第26章 終曲
その日、特に智とは会う約束はしていなかったし真っ直ぐ家に帰った。
今日は真面目にやるとするか。
と、やたら片付いている部屋に首をかしげながらも、
俺は着替えてすぐ机に向かった。
「翔、ちょっと、いい?」
「あ…うん。」
何だろう?
まさか、成績が下がったことがバレた、とか?
「ごめんなさいね?大事な時期だっていうのに、勉強の邪魔をして?」
「いいよ?何?」
その大事な時期に、成績下がったことがバレたら何て言われるかな?
と、戦々恐々としながらお袋の目の前に座った。
「今日、あなたの部屋を掃除している時にね、気になるものを見つけたんだけど?」
「え?入ったの?部屋に?」
…道理で片付いてると思った。
てか、見つけた、ってまさか…
気になって、話の続きを促す。
「でね?あなたに一度確認しておこう、と思って?」
「何を?」
「あなた、今、お付き合いしてる女の子がいるの?」
「え?」
俺が目を見開くとお袋は小さな声で、
智とヤるときには毎回欠かさず着けていたアレを見たのだ、と告げた。
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