テキストサイズ

マリア

第7章 恋慕曲



雅紀side


「くそっ!!」



ズボンのポケットに入れっぱだった、空のタバコの箱を足元に投げ付ける。




俺は今、猛烈に欲求不満だった。



いわゆる、溜まってる、ってやつだ。



今までヤった女には片っ端からメールも電話もした。



が、帰ってくる返事は皆同じ。



『忙しい。』



ったく、忙しい、って何だよ?



どいつもこいつも俺をヒマ人扱いしやがって!?



オンナがダメなら、とばかりにカズに電話すると、


和「俺、今日、危険日だから。」



とかぬかしやがった。



いつもだったら、『いいよ?ウチに来る?』とかなのに、今日に限って、



…アンタ、いっつもゴム付けないで中に出すでしょ?



認知してくれるんだったらいいよ?って?





ったく、一回、孕ませてやろうか?って思った。



この際、仕方ないから、


性欲を食欲に置き換えて、新しく出来た駅前のラーメン屋に幼なじみの翔ちゃんを誘うことにした。



が、



翔「俺、行かねぇから。」



と、あえなく玉砕。





まあ、溜まってんのはトイレで抜けばいいとして、



かわりに溜まったストレスは、どうすりゃいいんだ、!?って話。



でっかいため息をつきながら、屋上の手すりに寄っ掛かってグランドを眺めていると、



小さな人影が校門に近づいてきて立ち止まった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ