笑い、滴り、装い、眠る。
第7章 雨の日は家にいて
そして、案の定…。
翔「もう、突然の凄い雨!!」
ずぶ濡れだよ?と、
翔くんは顔を顰めながら上着を脱いだ。
「雨男のクセに傘持たないから。」
翔くんから上着を受け取りハンガーにかけた。
翔「あ、しまった。忘れるところだった。」
「何を?」
ネクタイを外す手を止め、僕の目の前にやって来た翔くんが僕の顎を持ち上げキスしてきた。
翔「…ただいま。」
「おっ……お帰り…なさい。」
抱きしめてくれた翔くんから香る雨の匂い。
翔「今日の晩ごはん、何?」
「翔くんの好きなオムライスだよ?」
翔「やった!」
「今用意してるから先にお風呂入ってきて?風邪引くから。」
翔「…一緒に入る?」
「なっ…何言って…」
翔「折角の広いバスルームなのに、俺一人じゃ…」
甘えるみたいに擦り寄ってくる翔くんに危うく絆されそうになるけど、ここは心を鬼にして突き放す。
「は…入ってもいいけど…誰が食事の用意するの?」
翔「あ、そっか…残念。」
僕から離れると、翔くんは唇を尖らせながらバスルームに消えていった。
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