笑い、滴り、装い、眠る。
第9章 ずっとあなたが好きだった。
突然、息苦しいぐらいの力で抱き寄せられ、
うっとりするぐらい、温かなぬくもりと、
噎せかえるぐらいの、あなたの匂いで鼻腔が満たされる。
智「……ごめん。変なこと言って。」
「うん…。」
このまま時が止まってしまえばいいのに、って思えるぐらい、居心地のいい腕の中。
智「ねえ翔ちゃん。」
「何?」
智「翔ちゃんの会社が軌道に乗って、俺の仕事が落ち着いたらさ、どっか行かない?」
「え?」
智「考えといてよ?俺、そういうの、苦手だし?」
「ふふっ。分かった。探しとく。」
智「山でも海でも。」
「日本じゃなくてもいい?」
智「釣りかキャンプができたらどこでも。」
「……了解。」
智「あ、でも、ギチギチにスケジュールは詰めないでね?」
「えー?でも、オプションはたくさんあった方が楽しいじゃん?」
智「俺は翔ちゃんとゆっくりまったりしたいの。」
「……分かったよ。」
智「て、ことでもう一回、しよ?」
返事をする前に俺の唇は智くんの唇に塞がれてて、
言葉どころか息をすることさえ許してくれないぐらいのキスをしてきた。
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