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笑い、滴り、装い、眠る。

第16章 a little guy



「どう?平気?」


智「うん。大丈夫。」



汗だくで微笑む額にキスをする。



「ごめん…もうちょっとこのままで。」


智「どうして?」



特に言う必要ないかな?と思ったけど、真剣に聞いてくるからもっと気持ちよくなるためだよ?って答えた。



すると智くんは安心したように笑った。



何気ない会話をすることで繋がっている感覚を忘れそうになるけど、



少し身動ぎすると自分のではない温もりに気づき、気恥ずかしさから照れ笑いしてしまった。



智「何が可笑しいの?」


「あ…いや…別に……」


智「今笑ってたじゃん?」


「別になんでもない、って?」


智「何でもないのに笑うの?」



どうやら自分のことをバカにして笑っていると勘違いしているらしい。



そうじゃないんだけどな?と、小さく嘆息する。



智「ねぇ…翔くん。」


「何?」


智「いつまでこのままでいるの?」


「辛い?」


智「そう言う訳じゃ…」



……いつまでもこうしていたい……



瞳の奥を探るように見つめると、頭の中でもこう言われているような気がして。



暗黙の了解のように智くんの背中に腕を回すと、



智くんの両腕も俺の背中に絡みついてきた。



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