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笑い、滴り、装い、眠る。

第19章 brothers



別に遠慮してる、ってワケでもないし我慢もしてない。



あんまガツガツ行ったら嫌われるかと思ったし。



翔「ねぇ、何で?」



なんて答えようか、戸惑う俺に構うことなく翔くんは俺に体を預けるように凭れかかってきた。



翔「今、この部屋には俺と智くんしかいないよ?」


「そっ…そうだね?」



心臓がばくばく言ってる。



エアコンの温度が高すぎるのか、



体が火照ったように熱い。



そして、何よりも気になるのは、



翔くんの息づかいが、物凄く近い位置で聞こえることだ。



翔「もしかして…キライになった?俺のこと。」


「ま…まさか!?」


翔「じゃあ…いいじゃない?」


「い…いや…でも……雅紀たちが…」


翔「あの二人はあの二人でよろしくやってるよ?」


「へ?」


翔「え?聞いてないの?雅紀くんから。」


「何を?」


翔「潤のことが好きだ、ってこと。」


「はい?」



じ、じゃあ…雅紀の好きな「男の子」って、



あのイケメンな翔くんの弟くんのことだったの?



翔「今ごろ告白して、付き合おう、ってなってんじゃない?」



マジか…兄弟揃って、同じ兄弟の兄、弟にそれぞれ恋しちまった、てか?



翔「もしそうなら俺、あの二人に先越されるのヤだからね?」



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