笑い、滴り、装い、眠る。
第7章 雨の日は家にいて
その友達の名前は松本潤。
元々、綺麗すぎる顔立ちの彼はよくハーフに間違われる程で、彼の回りにはいつも女の子がいた。
だから、友達と言えど、側にいることさえ躊躇われるぐらいだったけど、僕には自慢の友達だった。
それに家も近くて、朝が弱い彼を僕がいつも起こしてから一緒に登校していた。
「もー!!早く起きないと遅れちゃうよ?」
潤「ん…あと…5分…」
モゾモゾと再びシーツの海に潜り込もうとするのを阻止するため、思いっきりシーツを捲りあげた。
「いい加減起きろ、つーの!!この唐変木!!」
潤「わっ!?何すんだよっ!!」
慌てて起き上がった上半身裸の潤は、僕から奪い取ったシーツを体に巻き付け睨み付けた。
「目、覚めた?」
待ってるから、と笑顔で手を振りながら部屋を出た。
潤の家の玄関で、腕時計を見ながら今か今かと待っていると、寝癖なのか天パなのか分からないボサボサの頭をガシガシと掻き毟りながら現れた。
「ったく…だらしないなあ。」
潤「…うっせ。」
「でも、こんなんでもいい、って言ってくれる女の子達が大勢いるんだから感謝しなよ?」
未だしゃんとしない潤の背中を思い切り叩く。
潤「俺は別に大勢にモテなくても一人にモテたら…」
「何か言った?」
潤「別に…何も。」
僕に聞かれていると思ってなかったのか、潤は赤くなった顔を隠すように走り出した。
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