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恋人は王子様…!

第11章 撮られてしまった一枚 sideM

場所をベッドに移した。

もう疲れてしまったのかカズは脱力している。
「カズ、大丈夫?」
「…とばしすぎ」
愛おしい
「もう一回…したい」
「んん…んー…」
首を横に振ってイヤイヤする
それがそそるんだって

「潤くん、さっきからLINEの通知すごいよ?」
「え?」
渋々、カズの上から下りて携帯を確認する

「なに、これ」

『潤、やべーよ!彼女との写真撮られてる!』
『校内の掲示板に貼られてたよ!』
『潤くん、彼女いたの?』
『彼女探し始まってるぞ』

100件近いLINEはすべて同じようなことと同じ写真を浮かべている

「…潤くん?」

撮られた。
さっきのだ。
カズを俺がバックハグしてる写真とともに『☆大ミスター、雨に打たれて激しい抱擁』の見出し。

とんだ暇なやつがいるもんだ。

カズはフードを被ってるし華奢だから女の子に見えなくもない

「潤くん、とーしたの?」
「なんにも」
「嘘ですよね?」
無理やり画面を覗き込まれて…カズも動きを止めた

「潤くん、これ…俺だ」
「うん」

爽やかイケメンのミスターの裏の顔!
昼間の街中で女を喰らう獣!

すっげー内容書かれてる。

「じゅ、潤くん。」
「なに?」
「俺、女の子じゃない」
フルフルと震えるカズが可愛すぎて、笑えない場面なのに笑っていた

「このカズの写りめっちゃいいよね?」
「よくないですよ」
フードに萌え袖。
考えようによってはすげーいい写真。
「潤くん、大丈夫なの?」
「大丈夫。」

大丈夫。
でも、もう俺もカズもする気にはなれなくなって。
「潤くんのごはん、食べたい」
「うん、作るね」

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