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恋人は王子様…!

第15章 村人Aの一揆 sideN

潤くんには何も言わず、この日を迎えた

心臓がドキドキする

もし、これで潤くんに迷惑かけたら

騒ぎが大きくなったら

精神がおかしくなってくる

「ニノ、大丈夫?」
「無理」
「ニノ。ニノがさ、松潤の恋人ですって堂々と言えなかったのって、もちろん男同士ってこともあると思うんだけど、それ以上に自分に自信がなかったからじゃない?」
「…」
「つりあうわけないって思ってなかった?」
「思ってた」
「ニノは頭いいし、かっこいいし、可愛いし、優しいし、面白いよ」
そんなの…
「でも、松潤みたいにみんなにわかる魅力じゃないよね。これってニノと付き合ってわかる魅力だよね。だから、不安なんだよね?」
相葉さん、さすが幼なじみ。
すべての不安を言い当てられてる。
「だから、ステージに出ようって言ったの。ニノの歌聞けば、みんなニノのこと、すごいってわかるよ」
相葉さん…。
「俺たちもちゃんと演奏でバックアップするから、安心して」
「…うん」


「本日はフェスにお集まりいただいてありがとうございます。先ほどのアーティストで最後…だったのですが、せっかくなので、わたしのバンドも飛び入り参加してもいいでしょうか!」
司会の櫻井さんが上手く誘導に入っていく。
ステージの脇に潤くんが立ってるのが見えた。
段取りを知らされてない他のスタッフと顔を見合わせている。

潤くん…見てて。


智さんと相葉さんの後に続いてステージにあがる。
「カズ…」
潤くんの口が動いたのがわかった

櫻井さんがキーボードに手をかけ、智さんがドラムの前に座り、相葉さんがベースを引っさげ、俺を見た

大丈夫
やってやる

〜♪


どんどん歓声が大きくなっていく

盛り上がってる

これで、潤くんの恋人って認めてもらえるなんて思ってない
思ってないけど、自信は持てるんじゃないかって
単純かもしれないけど
潤くんの隣りに堂々と立てるんじゃないかって思うんだ

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